スキーに長靴をセットし右足首骨折。20代サラリーマン男性の恥ずかしい体験。

骨折の話

スキーに長靴をセットし右足首骨折。20代サラリーマン男性の恥ずかしい体験。

私は現在30歳の会社員です。

5年前、25歳の時に今から考えても馬鹿すぎる骨折をしました。骨折したのは右足の足首で全治1か月でした。5年前のある冬の日、私は会社の同僚と一緒に趣味のスキーに出かけることにし、自分の自家用車に同僚2人とスキー用具一式を載せてスキー場へと向かいました。スキー場に到着し、スキー板・ストック・靴を用意して早速滑りだそうとしたとき、私はスキー靴を持ってくるのを忘れたことに気が付きました。仕方がないのでスキー靴だけレンタルすることにしましたが、私たちが車を止めた駐車場は、スキー靴をレンタルするヒュッテよりも少し山の斜面の上部にあり、スキー板やストックを持ってヒュッテまで行くのは少々面倒なのです。そこで私は「滑って行けばすぐだから、履いてきた長靴をスキー板のビンディング(靴をはめる金具部分)に括り付けて行く」と言うと、同僚2人も「ナイスアイデア!」とばかりにノリノリで、車に積んであったガムテープを使って長くつをスキー板に括り付けてくれました。

そして完成した長靴スキーで、500mほど先のヒュッテに滑り降りていきました。急な斜面ではないのでスキー板のコントロールにやや苦しみながらも順調に滑っていき、「我ながらよい考えだった」と悦に入っていたのがいけなかったのか、雪が溜まっている場所に突っ込んでスキー板の先端が埋まり、転倒してしまいました。転倒した瞬間、足首がおかしな方向に曲げられ、激痛がしたので「これは足首折れたな」と思いました。

すぐそばを滑っていた同僚2人がすぐに駆け付け、スキー場の人と救急車を呼んでくれました。ガムテープで長靴をスキー板に括り付けて滑っていて足首を骨折、なんてかっこ悪いことこの上ないので、人が来るまえに長靴を脱ぎたかったのですが、ガムテープを外そうと長靴に同僚が触っただけで激痛がしたので長靴は脱げませんでした。そうこうしているうちにスキー場の人、救急車が到着。両者とも完全にあきれ顔で、とても恥ずかしい思いをしました。結局長靴は救急隊員の方によってスキー板から外されましたが、この時はものすごく痛く、叫び声を上げたのを覚えています。

スキー場の麓の町の総合病院に搬送されたころには、足首は赤黒く腫れていてグロテスクな見た目になっており、内側からガンガンとたたかれるような痛みもしてとてもつらかったです。さらに、救急隊から情報が行っていたのかお医者さんには

「普通にスキーしていて骨折ならともかく、こんな馬鹿げた骨折ないよ」

と、えらく怒られました。それでも診察はしっかりやってもらえ、レントゲンを取った結果、右足首骨折で全治1か月と診断されました。幸いだったのは骨がずれておらず、手術が不要でギブスで固定するだけで済んだ点でした。一連の処置が済むとひとまず病院から帰れることになったので、同僚に連絡して車で迎えに来てもらい、自宅へと戻りました。

自宅に帰ってからがまた大変でした。まず、腫れを防ぐために骨折後数日は足首を高くしておかないといけないため、ずっと寝ていることになりましたし、足首はズキズキと痛みました。痛み止めの薬はもらっていたのですが、気休め程度にしかならず、夜も熟睡はできませんでした。また、1人暮らしで日常の事が何もできないため、一緒にスキーに行った同僚に頼んでカップ麺や保存食品を買ってきてもらい、数日はカップ麺ばかり食べて過ごしていました。お風呂に入ることができないのもつらいことの一つでした。

会社にはその後1週間ほど休みをもらい、その後は右足を骨折していたので車の運転もできないため、混雑時間を避けてバスに乗って通勤しました。最初は松葉杖での通勤は大変でしたが、そのうち腕力がついたのかそれほど苦労することもなくなりました。

通院治療は、最初に診察を受けたスキー場の麓の町の総合病院から紹介状を書いてもらった自宅近くの整形外科に、はじめの頃は数日に1回、その後1週間に1回のペースで通いました。経過は順調で、ギブスによる腫れもなく、レントゲン写真を見ると順調に骨がくっついていっているようでした。1週間ほどすると、患部に触るとまだかなり痛みがありましたが、何もしていないときはほとんど痛まなくなりました。そして予定どおり4週間後、おおむね痛みもなくなり、骨がくっついているとの診断を受け、晴れて完治となりました。手術をしたわけではないのでリハビリなどは特になく、若いから大丈夫だろう、というようなことをお医者さんには言われました。

馬鹿げた理由で骨折し、たくさんの人に迷惑をかけてしまったのですが、よいことが1つだけありました。それは、会社の多くの人に一気に名前を知ってもらえたことです。私の働いている会社では、若いうちは多くの部署を異動することが多いのですが、名前を覚えてもらうのがまず大きな課題です。私はこの「長靴スキー骨折事件」の人として社内で有名になったらしく、その後はどの部署に異動しても、「長靴でスキーして骨折した○○です」と自己紹介すると、一発で名前を覚えてもらえます。とはいえ、あの痛い・恥ずかしい・つらい骨折は2度としたくありません。