オフィスのスチール台に小指をぶつけて剥離骨折。50代の女性事務職の体験談。

骨折の話

オフィスのスチール台に小指をぶつけて剥離骨折。50代の女性事務職の体験談。

実はこれまでに4回、骨折を経験しています。現在54歳の事務職ですが、最後に骨折したのは5年前の49歳の時、当時勤務していた狭い会社での怪我です。

小企業で事務をはじめ社内作業ほぼ全てに関わっていたため、毎日火が出るほどの激務でした。そんな中、専門作業を行っていた年配の女性は質問がある度に自席まで呼ぶため、忙しい私はその度に狭い社内で大回りをして走って席まで行っていました。怪我をした時も、呼ばれて急いで彼女の元へ向かう途中に、大型複合機を乗せている頑丈なスチール台の足の角に、足を激しくぶつけてしまいました。事務所ではつま先のないスリッパをはいており、靴下一枚の右足小指が、固いスチールに完全に負けてしまいました。

狭い事務所なので打撲は日常茶飯事でしたが、骨折経験のある私は、尋常ではない痛さに「やばいかも」と感じつつ、水に濡らしたハンカチで指を冷やして痛みが治まることを祈りました。しかし痛みはどんどん増していき、涙がでそうなくらいの痛みになっていきました。15分ほどするとだんだん腫れが見えてきたので、会社から徒歩3分ほどの整形外科に向かいました。幸いにも当日はつま先の広い靴を履いてきていたので何とか足を押し込み、事務所は社長にお願いして、涙目でゆっくりと10分近くかけてようやく病院へたどり着きました。

受付を済ませて看護師さんの問診を受け、まずはレントゲン撮影。ここまで待合室で痛みをこらえる時間の何と長かったことか。そしてやっと診察。

「骨折してますね。」

ああやっぱり。レントゲン写真を見せてもらい、右足小指の爪に近い部分の、外側の骨が欠けて離れているのを教えてもらいました。剥離骨折だそうです。希望ならギプスをするけれど、しなくても治せるとのことでした。足の薬指と小指を2本一緒にテーピングすることで、小指が単体で動かなくなるので固定できると教えてもらいました。湿布とテーピングをして、薬局で鎮痛剤と湿布を受け取ってその日は終了です。1週間後に再度レントゲン検査とのことでした。

その後1週間おきに2度レントゲン撮影をしました。撮影の度に、剥離して離れていた骨の欠片が、なんと指本体の骨に段々近づいていきました。人間の身体とは不思議なものだ、すごいものだと驚きました。2度目のレントゲンで経過が良かったので、テーピングは続けたまま受傷から1か月後に最終診察、これで通院は終了しました。

当時、実はダンスを習っており3か月後に舞台を控えていました。受傷から数日経つと、しっかりテーピングしておけばそれほど痛みは感じなくなったので、支障のない範囲でレッスンや舞台稽古は続けていました。テーピングにより足の裏の力が衰えてしまう恐れがあったので、最終診察の時点でダンス時以外はテーピングも外していました。何とか舞台までにはテーピングも外して痛みもなく動けるまでになりました。

痛みはなくなり生活に支障もなくなりましたが、小指の外側がぷっくり膨らんだ状態は治りませんでした。この部分は、おそらく骨が一度剥離してくっついた部分と思われます。このぷっくり部分は、その後靴擦れに悩まされることになります。水ぶくれになったり皮がむけたり、夏のサンダルはもちろん冬靴でも靴擦れになってしまいました。5年経った今、ようやくぷっくりは無くなりました。左右比べると若干違いがありますが、今はよく見なければわからない程度になりました。一瞬の不注意な怪我でしたが、ぷっくりを含めると完治までに4年くらいかかったことになります。怖いですね。

骨折の治療には基本的に固定が必要となります。今回は大きな固定はしないで済みましたが、それでも支障なく骨折部位を使えるようになるには、関節の可動域や筋力の回復と、動かすことへの恐怖を克服することが必要でした。今はリハビリも発達していますが、過去に腕の骨を骨折した時にはギプス固定したため、関節の可動域を戻すのに時間がかかったことがありました。骨折の痛みは、経験者ではなければ理解できない種類のものです。支障なく使えるようになる、という意味での「完治」にも時間がかかります。できれば、もうあの痛さにはお目にかかりたくありません。